プログラマティックサンプルとデータ品質にまつわる通説の打破


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プログラマティックサンプリングとは、サンプルの自動売買であり、サンプルの買い手と売り手がマーケットプレイス上で出会い、取引を行うことをいいます。プログラマティックサンプリングでは、APIを通して、販売者のパネルと回答者のプロファイリングデータを接続し、購入者の調査ニーズと照合します。また、このトランザクションは、最小限の人間の介入で自動的に行われます。このように、テクノロジーが従来のサンプリングプロセス(これまではスプレッドシートや電子メールを使用して人間が行っていた)を引き継ぐと、企業はコストの削減、エラー率の低下、そして最終的には高品質の結果等、多大な効率性の恩恵を受けることができます。

その明確な利点にもかかわらず、サンプルへのプログラムによるアプローチを取り巻く多くの通説があります。これらの通説は、サンプルプロセスの自動化が、データ品質に悪影響を与えるという根強い思い込みから来ています。実際はその逆なのですが。

プログラムによるサンプリングは、過去数年間で大きな進歩を遂げました。これにより、スピードに対する要求に応えるだけでなく、より臨機応変な対応も可能になりました。信頼性と精度の向上は、データ品質の向上に貢献します。データ収集とサンプルサプライチェーンの自動化に関する詳細については、弊社の新しいホワイトペーパー「ビジネスを麻痺させることなくデータ収集を変革する」に詳しく説明しています。

2018年、CintのCOO JD Deitchは、Research-Liveで、サンプルにまつわるいくつかの通説について書きました。リクルーティングソースについて、不正回答の軽減について、回答者とのエンゲージメントについて等、自動化で解決できる主要なプロセスのいくつかに触れました。その中で彼は次のように述べています。「良いサンプルプラクティスの理解をリセットする時が来ました…。市場調査が約20年前にオンラインに移行して以来、オンライン体験とそれを可能にするテクノロジーは劇的に変化しました。」それでも、3年経った今日でも、まだプログラマティックサンプルの利点について議論している人もいます。以下に、それらの通説に関するJDの考えの一部を要約しました。

通説#1:プログラマティックサンプルはリバーサンプル

2000年代後半、Web 2.0アプリケーションと、スムーズで楽しくインタラクティブなユーザーエクスペリエンスが標準になるにつれて、オンラインパネルの応答率は低下し始めました。この時点で、より広範囲な広告/マーケティングエコシステムからの非伝統的なサンプルソースの台頭が見られました。これらの新しいサンプルソース(一般に「リバーサンプル」と呼ばれます)へは、異なる方法で調査が配信されました。それらは、調査への単純な招待によってではなく、プログラムによって誘導されたのです。しかし初期のリバーサンプルは本当にしょうもなく、人々が疑いの目を持つのは当然でもありました。ですが現在では、サンプルの収集方法自体が大幅に進歩しています。 「プログラマティック」とは、単純に自動化されたトランザクションを指します。これらのソースのサンプル品質は、そのプロバイダーが洗練されてきているため、従来のオンラインパネルのサンプル品質と少なくとも同じくらい優れており、多くの場合、それよりも優れています。

通説#2:自動化はエラーを増加させる

実際、オートメーションは、手動プロセスに伴うミスを減らし、実際には、人間主導または精度の低いプロセスの弱点を明らかにします。プログラムによるアプローチは、入札、価格設定、サンプル回収可否判断などの広範囲なプロジェクトフェーズで、より優れた運用結果と精度を実現します。また、オートメーションは、いまだほとんどが属人的な実査管理に導入することも可能であり、問題を事前に特定し迅速に解決するのにも役立ちます。この種のリアルタイムの問題検出は、1日の任意の時間で、実査中の回収サンプルの回答内容を確認し、調査設計の誤りを是正するようなことも可能にします。これは明らかにエラーを減らし、最終的なビジネスの成果に大きなインパクトをもたらします。

通説#3:プログラマティックサンプリングでは適切な回答者が得られない

実際、今日のエコシステムでは、自動化がおそらく適切な回答者を獲得し、代表的なサンプルにアクセスする唯一の方法です。プログラマティックアプローチを採ると、回答者の「サプライチェーン」を完全に自動化できるため、すべての関係者の利益のために最適化できます。リクルーティングが正しく行われると、サンプルサプライヤーはあらゆるタイプの何百ものパートナーから調達し、類似したタイプの人々の集中によって生じるバイアスを最小限に抑えながら多様性を提供します。新しいテクノロジーとAPIにより、パネリストの大規模な取得/リクルーティングが可能になるため、サンプルの回収性が向上します。不正防止、回答者のエンゲージメント、保険数理的アプローチを組み合わせたアルゴリズムにより、通常はパネルに参加しない新しい回答者が参加できるようになります。従来の手動の調査プロセスとサプライチェーンは、今日のエコシステムで必要とされる規模とスピードで、代表的なサンプル回収を牽引するには非効率的です。

通説#4:不正回答者と戦うために自動化は不要

この通説は、時代遅れであるのと同時にもはや危険ですらあります。実際、リサーチャーは、昨今の手ごわい不正回答者に正面から向き合う不正低減テクノロジーを必要としています。業界全体でテクノロジーの利用が増加するにつれて、個人もテクノロジーの進歩を利用し「不正ゲーム」を進化させています。彼らは従来型の不正検出アプローチの穴をついてきます。 Cintでは多数のデータポイントを追跡しており、単なる推測で言っているわけではありません。人工知能と機械学習を利用した、よりプログラムで自動化されたアプローチを採ることで、進化する不正の傾向を常に把握できています。これが、昨今の組織化されアジャイルな不正の一歩先を行く唯一の方法です。

サンプル回収に関する、プログラムによる自動化したアプローチをしないことのコストは、毎日増大しています。エラーが発生しやすいプロセスが増えると、データ品質が低下し、インサイト収集のスピードも、サンプル回収力と同様に悪影響を受けますし、不正は増え続けています。プログラマティックサンプルは、インサイト企業がよりアジャイルになり、ペースの速い市場で必要とされるスピードで、より良いデータを提供できることを意味します。以上のような通説を妄信するのをやめて、結果に目を向ける時が来たのです。

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